ロシア人でも知らないことがいっぱいのカムチャツカの旅

カムチャツカ
お立ち寄りスポット

カムチャツカは「火山の野外博物館」と呼ばれるように、300を超える火山と29の活火山があり、北海道の北東約1200kmに位置する大きな半島です。カムチャツカの火山群は世界自然遺産に登録されています。日本から行く場合は、成田国際空港からウラジオストク経由で、カムチャツカのエリゾヴォ空港へと向かいます。

カムチャツカ位置図

今年の夏、日本海ブリッジのウラジーミル・ルセンコさんはカムチャツカ半島の小さな町に日本製の風力発電機やディーゼル発電機、中国製の太陽光発電機を設置するプロジェクトの通訳の仕事で出張に行ってきたそうです。

カムチャツカで記念撮影をするウラジーミルさん

本サイト編集部は、まだカムチャツカには足を踏み入れていないので、どんなところなのか興味津々です。仕事の合間にウラジーミルさんが撮った写真や動画を紹介しながら、カムチャツカのいまを見ていきましょう。

まずカムチャツカ地方の中心都市、ペトロパブロフスク・カムチャツキー(Петропавловск-Камчатский)です。この町の人口は約18万人(2020年)、周辺海域の豊富な漁業資源から水産業が盛んで、サケやカニの水揚げ量が多いです。

ここはこの町の中央広場です。市役所やレーニン像、少し離れた場所にロシア正教会があります。市街地のかなたにアヴァチン火山が見えます。

以下、ウラジーミルさんは話します。

ペトロパブロフスク・カムチャツキーに来て最初に思ったことは、ソ連時代にタイムマシンで戻った感じでした。町並みが当時の雰囲気のままで、通りの名前も昔のまま、「レーニンスカヤ通り」を使っていました。ウラジオストクでは1990年代にレーニン通りをスヴェトランスカヤ通りに戻したのとは違います。

レーニンスカヤ通り

高台からペトロパブロフスク・カムチャツキーに面したアバチャ湾と町並みを撮ったものです。

ここからウラジオストクへは2280 km、ロンドンへは8223 kmとあります。ウラジオストクとモスクワの時差は7時間ですが、カムチャツカとモスクワの時差は11時間です。

教会と海、そしてアバチャ湾の向こうにコリャーク(コリャークスキー)火山が望めます。

市内にはいくつものレストランがあり、ここは「シャシリク」というバーベキュー料理の店で、パラツンカ温泉に行く道に沿ってあります。

バーベキュー料理のレストラン
パラツンカ温泉に行く道

こちらに来て驚いたことのひとつに、テレビのニュース放送がコリャーク語だったことです。コリャークは先住民族で、人口の70%ぐらいだそうです。

空港にコリャーク人のイラストのパッケージされたチョコレートが売っていました。

コリャーク人のイラストのパッケージされたチョコレート

そして、この時期カムチャツカは白夜となり、23時頃ようやく暗くなるのですけど、午前2時にはだんだん明るくなってきます。最初は面白かったけど、時間が経つにつれて大変になりました。ホテルの客室にはぶ厚いカーテンが用意されていました。

さて、ペトロパブロフスク・カムチャツキーからいよいよ目的地のオッソラ(Оссора)に向かいます。エリゾヴォ空港から飛行機で行きます。

オッソラは半島の北部にあります。

オッソラ位置図

人口は3000人ほど。人々の多くはサーモン加工工場で働いています。ランドクルーザーで道なき道を目的地まで走ります。

道中熊の足跡を見つけました。カムチャツカではクマの危険性が沿海地方とはだいぶ違います。オッソラの熊は人を襲うので要注意です。民家の近くにもいるので、村人はいつも警戒しています。

オッソラの海岸で地元の人が網にかかったサーモンを獲るのを見ました。

村には野生の山猫が当たり前にいます。

次に、さらに北方の半島の付け根のあたりにあるチリチキ(Тиличики)に向かいました。ここは人口1500人ほどの村で、主な仕事は同じくサーモン加工工場です。

交通手段はヘリコプターしかありません。道がないし、このあたりは永久凍土帯で、森はツンドラなのです。

これがチリチキの港です。

私たちは太陽光発電パネルの設置できる場所を探すため、村からかなり遠いところまで行きましたが、軍用装甲車に乗って行きました。

素晴らしい眺めでした。

実をいうと、ロシアがカムチャツカ半島の支配を宣言したのは1697年のことで、ウラジオストクよりずっと古いです。なかなか行く機会がなかったのですが、とても面白かったです。何よりロシアの広大さが感じられました。

チリチキもオッソラもとても遠いけれど、村の人々は優しかったです。いつか日本のみなさんをカムチャツカに案内したいと思います。

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