今年も観られなくて残念!マリインスキーフェス初演バレエ2作品に注目
ウラジオストクの夏はイベント盛りだくさんです。先週の7月25日は、7月最後の日曜ということで、今年もウラジオストクでは「海軍の日」のイベントが開催されました。
そして、7月下旬に始まったもうひとつの恒例行事が、マリインスキーフェスティバルです。昨年はコロナ禍の影響で9月に延期されたのですが、今年は例年通り7月24日〜8月8日まで開催されています。
ウラジオ.com の宮本智さんは現地の様子をこう話します。
「7月24日に開幕した第6回国際極東マリインスキーフェスタでは、ロシアの国民的詩人であるプーシキンの作品を元にしたバレエ『バフチサライの泉』が初お目見えの演目ということもあり、初日から3連続公演となっています。
ウラジオストク以外の都市から観光バスで乗り付ける観客も多く、お祭りのような雰囲気が感じられます。
劇場の入口では検温とマスク着用はありますが、昨年と比べるとだいぶチェックもゆるくなっている感じで、普通に観劇を楽しめる雰囲気です。
ご時世に合わせて劇場オリジナルのマスクも販売されているので、お土産に購入することができます。
前半はバレエを中心に、後半はオペラとオーケストラ中心に組まれています」
ウラジオストクマリインスキーバレエ団に所属する西田早希さんにも、今年のフェスティバルの特徴についてうかがいました。
「今年のフェスティバルのバレエの目玉は2演目あり、『バフチサライの泉』と『ラ・シルフィード』です。どちらもウラジオストクのマリインスキーのレパートリーにはまだないものです。
『バフチサライの泉』は舞台セットや衣装の豪華さ、沢山のキャラクターダンス、最終幕での男性の群舞など見どころも多く、戦いやさまざまな役どころが命を落とす壮絶な場面もあるのですが、とても華やかで賑やかな作品です。
『ラ・シルフィード』は日本でもよく公演されていると思いますが、ロマンティックバレエの代表的な作品です。妖精である女性は白いロング丈のロマンティックチュチュ、スコットランドが舞台なので男性は民族衣装のキルト姿で登場します」
フェスティバルのプログラムからざっと今回のおもな公演について紹介しましょう。
「第6回国際極東「マリインスキー」フェスティバルでは、ふたつのバレエ作品の初演で開幕します。
7月24日と25日、ウラジオストクの劇場で初めて、ロスティラフ・ザハーロフの演出、ボリス・アサフィエフの音楽に合わせた「バフチサライの泉」が上演されます。ロシアを代表する詩人プーシキンの作品に基づいた、このカラフルなパフォーマンスは、ソビエト時代のドラマバレエの特徴を伝えてくれます。サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場では、2017年に1000回目の公演が行われています。
16世紀のクリミア半島を支配していたクリミア・ハン国の王が思いを寄せた女性の死を悼む物語で、彼が建造した「涙の泉」と呼ばれる噴水がバフチサライの泉です。王のハレムの中での踊りに具現化された失われた愛と燃える嫉妬は、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇団のダンサーたちによって演じられます。
7月27日と28日、もうひとつの初演であるロマンティックバレエ「ラ・シルフィード」を観ることができます。現在、この作品はサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場とモスクワのボリショイ劇場のレパートリーになっています。
このふたつの作品の指揮はアントン・トルベエフによって行われます。
バレエに続き、交響楽団の公演は7月31日、ピアニストのセルゲイ・レドキンとウラジオストクマリインスキー劇場の楽団による演奏から始まります。
8月7日、マリインスキー劇場のオペラ劇団、プリモルスキー・ステージの合唱団とオーケストラのソリストがパベル・スメルコフの指揮の下、音楽史上最も重要な作品のひとつであるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンによる壮大な交響曲第9番を披露します。
マリインスキーフェスティバルの最終日である8月8日には、ピョートル・チャイコフスキーのオペラ作品「スペードの女王」が、サンクトペテルブルクとウラジオストクの2つのグループの力を結集するユーリ・テミルカノフの有名な演出で上演されます」
プログラム(日本語版)はこちら
今年も残念ながらフェスティバルに行くことはかないませんが、来年こそはぜひ、この時期にウラジオストクに滞在していたいと思います。
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