MONOCHROME-モノクローム寫眞「海から眺めるウラジオストクの魅力」
港町のウラジオストクは、東京や横浜のように、遊覧船やクルーズ船に乗って、海から街を眺めることができます。稚内在住の中川善博さんが撮った船からのウラジオストクの眺めを紹介します。
現在住んでいる稚内は沿岸部に街が拡がっていて、拙宅から歩いて数分の辺りが海岸である。故に「岸から海を観る」という場面は多い。逆に「海から港や街を観る」という機会は船に乗るという場面に限られていて稀なのだが、その「海から」の眺めが新鮮で興味深い。
これは方々の港(=海辺に拡がる街)に共通することでもあるように思う。ウラジオストクのような街でもそういう例に洩れない。「海から眺める」というのが酷く面白い。
ウラジオストクは、1860年(日本史では「桜田門外の変」が発生している年で、幕末期に相当する)に港を築いて街を拓くということに決して、その歩みを始めたとされている。深い湾が組み合わさって、小さな島が散見するような複雑な地形の場所であるが、船が停泊し易いと判断されたのであろう。
そのウラジオストクでは、小さな島に船の安全運航に資する灯台が設けられる歴史が在り、2010年代に極東地域の振興を図ろうというなかで、一部の島や深い湾の海上を車輛等が自在に往来可能とする巨大な橋梁も築かれている。
そういう場所を船で動き廻り、灯台や橋梁や街を海から眺めるのはなかなかに面白い。
ウラジオストクで「灯台や橋梁や街を海から眺める」とすれば、大きくふたつの方法が在ると思う。
ひとつは地元のツアー会社が催す「船で巡る…」という企画に参加すること。もうひとつは「遊覧船に乗船」である。実は両方共試していて、それぞれに好い想い出になっている。
「船で巡る…」という企画に参加した経過に関しては、「2018年最良の日」のひとつに挙げたい程度の好い想い出になっている。サハリンに在って、ウラジオストクを訪ねてみるということになったとき、ウラジオストクの地域情報ポータルサイト(vl.ru)に在った広告を見付けて地元の会社に接触を図って参加したのだった。
実は地元の会社では、ツアーを企画して準備したものの、参加者がなかなか集まらずに中止を検討したらしい。そこに「サハリンから来るとかいう、外国人らしい客が現れた」ということになって、会社の代表が偶々サハリン出身であったことも在って、「何とか催行を」と思い始めたらしい。最初は代表の知人の写真家に声掛けして、やがてモスクワやカムチャッカからウラジオストクを訪れるという方が参加希望の問い合わせを寄せて、ツアーが催行されたのだという。
好天に恵まれた日の夕刻、用意の船に乗り、参加した皆さんと語らい、ガイドによる各灯台や橋梁や見える風景の御話しに耳を傾け、酷く愉しい時間を過ごし、予定の時間を超えて夜のやや遅めな時間帯にツアーが終了したのだった。
スクリプリョフ島灯台:海上から望む…(2018.06.10)
ルースキー島:極東連邦大学周辺の公園:海上から望む(2018.06.10)
<ルースキー橋>:日没後:海上から望む(2018.06.10)
「遊覧船に乗船」については、船乗場で乗船券を求め、乗船開始時間に乗場へ足を運び、乗船したのだった。
船内ではガイドがロシア語で色々な話題を提供してくれていた。が、乗り合わせていたのは中国や韓国の人達が多かったようで、彼らは同行した人達のグループで勝手に話し合う等していたが、自身は船内で流れているガイドの話しに耳を傾けながら、好天に恵まれたなかで風景を眺めて愉しんでいた。
このような経過で写真に収めた「海から眺めるウラジオストク」を、今般改めて御紹介することが叶うのは幸いだ。
(中川善博)
※ウラジオストクは空からも眺められます。ヘリコプターツアーの話はこちら。
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