ちょっと残念?ウラジオストクの路面電車に新型車両が登場
市内中心部から東にバスで20分ほどの場所にある通称「キタイスキー市場」のそばを路面電車が走っています。
ウラジオストク在住の旅行会社うらじおの宮本智さんから、先日こんな便りが届きました。
「この前、キタイスキー市場を走る路面電車に新型車両が登場していました。ソ連時代の初期から走り続ける、味のある古い車両が旅行者目線では魅力的だったのですが、市のインフラ改善策としての新車両導入です。
まだ全体の3割程度なのですが、今後は少しずつ新型車両に代わっていきそうです。時代の流れなので仕方ないですが、ソ連時代の古い車両が見られなくなるのだとしたら、少し寂しいです」。
では、ウラジオストクの路面電車について紹介しましょう。
この町に路面電車が登場したのは1902年。いまから100年以上前のことです。
それ以来、多くの路線が市内各地を走っていました。この古い絵はがきをみると、中央公園に面した目抜き通りのストラヴェンスカヤ通りにも路面電車が走っていたことがわかります。
そして、いま残っているのは一路線のみ。それがキタイスキー市場の近くの104番です。東の終点がサハリンスカヤ(Сахалинская)で、北の終点はミンヌィ・ゴロドク(Минный Городок)。毎日6:02~22:30の間、ほぼ5分おきに運行していて、料金は一律20ルーブルです。安いでしょう。
ところで、なぜ宮本さんは新型車両を見て「少し寂しい」と感じたのでしょうか。彼は言っています。「味のある古い車両」が見られなくなってしまうからだと。
そうなんです。ウラジオストクの路面電車は相当年季が入った、はっきり言ってオンボロ車両です。でも、そのレトロさが味わい深いのです。
このグリーンの路面電車の、草ボウボウの線路の上を走っている姿、とても愛らしくありませんか。
近づいてきたら、こんなデザインで、なかなか勇ましい感じです。
ほかにもいろいろあります。ご覧ください。
これらの車両の大半は、ソ連時代から走っているもので、製造時期も違うようですが、それぞれ思い思いの個性的なデザインと色彩感覚でペイントされ、ひとつとして同じものはないんです。
一台の路面電車の脇にこんな絵が描いてありました。市民に愛されている感じがします。
さて、電車に乗ってみましょう。中はあんまり広くはありません。
女の子がちょこんと座っています。車窓の外に見えるのは、キタイスキー市場です。
路面電車にはたいていおばあさんの車掌さんが乗っていて、運賃を徴収に来ます。
なかには、まるで昔公園にあった木のベンチのような座席の車両もありました。きっとこういう旧車両が新型車両に代わってしまったのかもしれませんね。
路面電車に乗るためには、中央広場から路線バス31番に乗ってスポルチーヴナヤ(Спортивная)で下車し、キタイスキー市場方面に歩くと、路面電車の停留所が見つかります。
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