2021年1月上旬の成田ウラジオストク線の搭乗レポートです
成田ウラジオストク線は昨年11月から週1便(日)で運航を再開しているのをご存知でしょうか。
ロシア政府は新型コロナウイルス感染拡大予防に伴い、入国制限措置を実施していますが、2020年10月14日に日本を制限対象から除外しているからです。
極東ロシア駐在の日本人が1月上旬、成田・ウラジオストク線に搭乗した体験を編集部宛てに伝えてくれたので、以下報告します。ただし、状況は刻々と変わるので、あくまで参考程度に留めていただきたいことを最初にお断りしておきます。
●成田空港のチェックイン
空港に早く到着したので、成田空港第一ターミナルのインフォメーションカウンターでSU5481便(成田13:35発)のチェックイン開始時間を聞いたところ、11:05開始とのこと。便名は「SU」ですが、アエロフロート・ロシア航空の子会社のオーロラ航空です。
空港内はほぼ無人でした。チェックインカウンターでは、現在のロシアの水際措置に基づき、COVID-19の陰性証明書の提示が求められます。陰性証明書を所持しない場合には、ロシア入国後のPCR検査受検でも良いことになっていますが、少なくとも周囲の日本人の皆さんは、事前にPCR検査を受けて陰性証明書を取得して来られたようでした。
ただ、陰性証明書の日付が「2021年1月○日」とあるべきところが「2020年」になっていることに気づいて慌ててクリニックに連絡を取る方や、成田空港内PCRセンターで当日朝PCR検査を受検したものの、結果の判明に時間がかかってチェックインがギリギリになる方など、やきもきされた方もいました。
「2020年」というのは、年明け特有のケアレスミスと思われ、クリニックで発行してもらった陰性証明書の日付が間違っていたということです。ご本人は慌ててクリニックに電話して確認したり、チェックインカウンターの職員は誰かと対応を協議していましたが、どうやら事なきを得て、無事搭乗できた模様です。
陰性証明書は、なるべく成田空港に来る前に入手しておけば、時間に焦ったり、予想外のトラブルに見舞われたりする可能性を回避できそうです。
●搭乗、そして機内
ウラジオストクからのSU5480便は定刻に到着し、整備・清掃の後、ウラジオストクへ折り返します。13時前には23番ゲートで搭乗が開始されました。乗客は60人前後でした。
乗客の比率は、見たところ、日本人とロシア人が半分ずつくらい。ロシアの年始の長い連休の最終日に当たっていたので、日本で年末年始を過ごしてウラジオストクや極東各地に戻る在留邦人・駐在員が多かったようです。
定刻よりも早くゲートアウトし、A滑走路から離陸しました。コロナ禍前の成田空港では、離陸待ちの航空機が渋滞し、離陸まで20~30分待たされることが珍しくありませんでしたが、この日は搭乗機の前にも後にも離陸機はなく、離発着が激減していることを感じました。
離陸後の機内では、ロシア入国後に提出するCOVID-19に関する質問票が配布されます。内容は、パスポート情報、連絡先、ロシアでの滞在先、入国前PCR検査の受検の有無および、その結果、署名欄等です。入国前PCR検査に関する項目のみロシア語でしたが、それ以外は全てロシア語と英語併記でした。
質問票を配り終えた後、機内食が配布されます。極東ロシア便ではおなじみのサンドイッチです。チキンと野菜の2種類があり、試しに「野菜」を頼んでみたら、「ズッキーニのグリルとコルニッション(小きゅうり)のサンドイッチ」とのこと。どちらもよく似た野菜同士で、日本人には思いつかないような妙な具の組み合わせでした。ウラジオストクで往復分積み込んできたようです。
●ウラジオストク到着
ウラジオストクには、定刻の17:05分よりも30分以上早く、16時半頃に着陸しました。
ゲートイン後、乗客が降機する前に、制服姿の検疫官が機内に乗り込んできます。サーモグラフィーで各乗客の体温を測定するとのアナウンスがあり、乗客は自分の席で待ちます。機内に発熱している乗客はなかったようです。検温終了後、乗客が降機します。
入国審査は通常通りです。機内で配布され、各自記入した質問票は、税関の手前に待機している検疫官(機内で検温していたのと同じ人)に渡します。質問票を渡すとそれ以上何も聞かれることはありませんでした。記載事項の確認も質疑応答もなく、陰性証明書の提示を求められることもなく、拍子抜けするほど簡素な対応でした。ただ、人によっては、陰性証明書の提示を求められたり、日付を確認されたりしたようでした。
着陸から25分後にはすべての入国手続きを終えて到着出口に出ることができたので、コロナ対応のために追加的な時間を要することはなかったと言っても過言ではないでしょう。全体として、非常に円滑で簡素な入国でした。
ロシアでも頻繁に水際対策が改定されていますが、現在はロシア入国後14日間の自主隔離義務は基本的になく、日本で導入されているような14日間の保健所による健康観察(web上やLine、電話等で行う)や位置情報・接触者情報アプリへの登録義務もありません。
帰国したのは12月上旬だったので、日本の水際対策がその後強化されていると思いますが、その時点では、成田空港のゲートインから、受付、抗原検査、質問票記載内容の確認、検査結果判明までの待機等々、入国審査場にたどり着くまでの検疫の流れが長く、空港出口にたどり着くまで2時間半かかりました。
一方、ロシアの現在の規則では入国後の移動にはほとんど制約は課せられません。強いて言えば、公共の場でのマスクの着用義務があるのと、国内線に搭乗するために空港ターミナルに入る際に実施している検温だけです。
今回、成田ウラジオストク線に搭乗して、国際空港での水際対策にもお国柄が出るものだとあらためて感じました。
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