ウラジオストクの北朝鮮レストラン、どんなところかご存知ですか?
たまにはウラジオストクのディープな話もしましょうか。
ウラジオストクのあるロシア沿海地方は、北朝鮮と国境を接していています。そのせいで、町には多くの北朝鮮の労働者が働いています。市内の大学にはけっこうな数の留学生もいるし、ビジネスマンもいます。北朝鮮領事館もあるので、町中で彼らの姿を見かけることがよくあります。
そして、彼らが中国やアジア各地に出店している通称「北朝鮮レストラン」も、市内だけで4軒あります。これらの店では、北朝鮮料理が食べられ、かの地から来た女性による歌謡ショーが観られます。ウラジオストクを訪れた日本人も、けっこう足を運んでいるようです。
それぞれどんな店か紹介しましょう。
まず老舗の「平壌(Пхеньян)」です。
地元でもいちばんよく知られる店です。以前は演奏が行われていましたが、最近はほとんどないようです。
冷麺やチゲ、刺身、ユッケ、(北朝鮮産の)マツタケ炒め、おひょう(ヒラメの一種)のフライなどが人気メニューだとか。
店内には若い韓国の女性客が多いです。1週間ほどウラジオストクを旅行しているというある女子学生に聞くと「私たちは統一を心から望んでいます」と話してくれました。同じコリア系でありながら、北と南ではあまりにも境遇が違うことに、彼女たちは本心では何を感じているのでしょうか。
場所は日本国総領事館にも近く、トカレフスキー灯台方面行きの路線バス59、60番などで行けます。
2017年4月に市庁舎の裏にオープンした「高麗(Корё)」は、広くてモダンな店です。
20歳前後のまだ初々しい女性スタッフが働いています。彼女たちは、昼間は洋装ですが、夕食時には伝統衣装のチマチョゴリを着て接客してくれます。
不定期ですが、20時頃から彼女たちによる歌と演奏があります。ただし、お客さんが少ないとやってくれません。
スポーツ湾に面した海辺通りを歩いた先の要塞博物館の近くにあるのが「豆満江(Туманная)」です。
ここも新しい店です。広くてモダンな店内に素朴すぎるほどの女性スタッフがいて、癒される店です。店内のモニターには北朝鮮の歌番組が流れています。予約すればカラオケもできますが、ロシアや中国、北朝鮮の歌ばかりです。
4月中旬まで「冷麺フェスタ」をやっていました。平壌冷麺は、韓国の冷麺ほど麺のコシが強くなく、スープもあっさり気味で、つるつると食べられます。
4軒目は、市内中心部から少し離れた場所にある「金剛山(Кым Ган Сан)」です。
そのぶん、この店はローカル色が強く、客層も北朝鮮の人たちが大半です。
店内の照明も少し暗めですが、北朝鮮のTVや音楽が流れていて、かの国の雰囲気を味わうには最もディープな店といえるかもしれません。
店内には北朝鮮の自然を描いた絵画や手工芸品などが置かれていて、購入が可能だそうです。 2020年になってウラジオストクにいた北朝鮮の労働者の多くが帰国してしまいましたし、現在は新型コロナウイルスによる自粛でこれらの店はお休みしていますが、日本ではまず知り合う機会のない北朝鮮の人たちと普通に出会えるスポットです。ウラジオストクならではの体験といえるではないでしょうか。
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