今年のパスハはマスクしたイースターエッグが流行しました
キリストの復活を祝う「イースター」は、多くのキリスト教の国々の人たちが春の訪れを強く実感する祭りです。
ロシアでは復活祭のことを「パスハ(Пасха)」と呼んでいます。今年は4月19日(日)に祝われました。パスハの日は毎年異なり、マースレニッツァから48日後に行います。カソリックの国などでは、今年は4月12日がイースターでしたが、同じ日になる年もあります。
ウラジオストク在住のインスタグラマーのアンナさんから、パスハの日にロシアの人たちが食べるお菓子についての便りが届きました。
「パスハの前日、私のママはクリーチとイースターエッグをつくってくれました。
クリーチというのは、手前の白いクリームがコーティングされた菓子パンのことで、左上のきれいな色にペイントされたゆでタマゴがイースターエッグです。
パスハの前日、ロシア人は家庭でタマゴを茹でて、かわいく色付けしたり、パスハの日に食べるクリーチをつくります。スーパーマーケットに行くと、イースターエッグやクリーチが山ほど販売されています」
パスハの日に食べるお菓子はほかにもあります。その名も「パスハ」で、カッテージチーズやバター、卵黄などを素材にしてつくられるピラミッド形の甘いケーキです。このケーキには、宗教的な意味があり、復活祭の礼拝後の会食でふるまわれます。では、パスハの日にはどんな儀式が行われるのでしょうか。
「パスハの日、ロシア人の多くは教会に礼拝に行きますが、今年は例年と違って聖堂内に多くの人が集まれません。でも、今年の礼拝の様子は以下のオンライン動画で観ることができました。これはウラジオストクにあるポクロフスキー教会の礼拝の動画です」
パスハの礼拝の様子
※現在の動画は、いま現在の聖堂内の様子を映したものです。
アンナさんは言います。「もともとパスハの日は、料理をつくったり、お風呂に入って身体を洗ったり、仕事をすることは禁じられていました。でも、いまの時代、これを守っている人は多くないと思います」。
パスハの日に行われる風習のうち、最も広く浸透しているのはイースターエッグです。これは復活祭の礼拝のときに、信者たちが色付けしたタマゴを持ち寄り、神父によって聖なる祈りを捧げられたものを、再び信者同士に贈りあいます。
もともとタマゴは血(生命)を象徴する赤に染めるものでしたが、ロシアなどスラブ語圏を中心に、美しくカラフルに彩色する習慣があります。帝政ロシア時代には、贈り物用として美術工芸品のように美しいイースターエッグもあったほどです。
アンナさんはこんな話を教えてくれました。
「今年のパスハの流行は、マスクしたキャラクターが描かれたイースターエッグでした。私もためしに描いてみましたが(笑)、もっと上手なものが巷にあふれています。」
イースターエッグに描かれたマスクというかわいらしいジョークは、新型コロナウイルスで自粛してきたロシアの人たちの重苦しい心持ちを少しだけ軽くしてくれたに違いありません。
※ロシアでは、ゆでタマゴに貼るだけできれいなイースターエッグができるシールも売っています。おみやげにいかが。
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