スタバはまだないけど、そのぶん個性的! カフェの町を楽しもう
もともとロシアでは、コーヒーより紅茶を飲むのが一般的でしたが、最近はバリスタによる本格コーヒー店が急増中です。
実は、ウラジオストクには、まだスターバックスのような、世界中どこにでもあるグローバルチェーンはありません。でも、むしろそれがこの町の魅力といえます。なぜなら、ロシア人ならではの遊び心にあふれた個性的なカフェが町中にあふれているからです。
「カフェマ」はモスクワなどの大都市に出店しているグローバルチェーンのスタイルを意識しつつも、ロシア人好みの温もりのある空間をつくり出しています。
内装のデザインは、店ごとにまったく違ったコンセプトとテーマで演出されていて、しかも手づくり感覚にあふれています。接客も気取ったところなどなく、アットホームな雰囲気です。
値段もお手頃で、カプチーノが120ルーブル。
ロシアの伝統菓子プリャーニクとアメリカンコーヒーのセットで180ルーブル。
同チェーンのバリスタのひとり、ジーマさんはロシアで毎年開催されるバリスタコンクールに何度も参加していて、日々腕を磨いているそうです。「大事なのは、コーヒーに関する知識や技術だけではない。プレゼンテーションでの審査のポイントとしてストーリー性が重要なので、学ばなければならないことはたくさんある」と話します。
「カフェマ」では、世界各国のコーヒー豆を用意していて、頼むとバリスタが店頭で焙煎してくれます。世界各地の豆を仕入れ、それぞれ味や香りの違いを楽しむコーヒー文化は、日本では1970年頃から浸透していましたし、スターバックスのようなグローバルチェーンが世界中に展開したことで、その後、アジア各地と同様、ロシアの場合も、こうした新しいコーヒー文化が広まっていくのは2000年代に入ってからでした。
なかでも、パシフィックロシア(太平洋ロシア)文化を意識したウラジオストクのような港町では、アメリカ西海岸風のコーヒー文化は普及しやすかったといえるかもしれません。
「カフェマ」では、コーヒー以外に、さまざまなタイプのお茶も購入できます。ロシアには、紅茶だけでなく、ハーブティーとして知られるイヴァン茶やさまざまな種類のフレイバーティーがあります。中国茶や日本の緑茶も人気で、販売されています。ロシア人へのおみやげは、日本の緑茶が喜ばれるんですよ。
ロシアで紅茶といえば、ジャムを入れてかきまぜて飲むイメージがありますが、ロシアでは中に入れて飲むことはあまりないそうです。またジャムだけでなく、ハチミツや練乳などを別の小皿に用意し、それをなめつつ紅茶をいただくというのが一般的。なかでも沿海地方の広大な森で育まれた新鮮なハチミツは有名です。種類も多いので、味の違いを楽しみましょう。
「カフェマ」は市内に5店舗ありますが、いちばんわかりやすいのが中央広場に面した「広場前店」で、線路脇のビルの階段の上が入口です。
(撮影/佐藤憲一)
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