ロシア語が読めなくても大丈夫 スタローヴァヤに行こう
ウラジオストクに旅行に行って困ることのひとつが、レストランでロシア語しか書かれていないメニューを手渡されたとき。笑顔で迎えてくれた地元のウエーター、ウエートレスの前で、キリル文字の羅列を目にして、自分の食べたいものがうまく伝えられないときほど、もどかしく残念なことはありません。
そんなとき、救われた気がするのが、ロシアの大衆食堂「スタローヴァヤ」の存在です。そこでは、気取らないロシアの庶民の味が楽しめます。
スタローヴァヤは、ひとことでいえば、ビュッフェスタイルのファミレス。もともとソ連時代の企業や工場、大学に併設された食堂の流れをくむものなのですが、最近は若者向けのおしゃれなチェーン店がたくさんあります。
ウラジオストクでおすすめなのが「ニ ルィダイ」。2016年にリニューアルされた、リーズナブルなのにレストランのような雰囲気が楽しめる店です。地元の若い家族連れの姿もよく見かけます。
メニューの中身も庶民的でとってもリーズナブル。コーヒーや紅茶、ビール、ワインなど、ドリンク類も豊富。つくりおきの料理が並ぶところは、昔ながらの日本の定食屋みたいなのです。料理を見ながら好きなだけ選べるので、ひとり旅でも気軽に利用できます。何よりロシア語のメニューに悩まされることはありません。
では、どんな料理が食べられるのでしょうか。ショーケースに並ぶのは、チキンと野菜の炒め煮(120ルーブル)や卵とじ(100ルーブル)、ハンバーグ(100ルーブル)、いんげん炒め(80ルーブル)、ブロッコリーのソテー(40ルーブル)など、日本人にも親しみのあるメニューばかり。
味つけもほぼ見た目のとおり。ロシアっぽさを感じさせるのは、現地の人たちがご飯がわりに食べるソバの実(グリェーチカといいます。40ルーブル)やボルシチ(100ルーブル)などのスープ類でしょうか。
店内はこんな感じです。基本セルフの店ですが、天井に大きなシャンデリアのような照明があり、カジュアルながらけっこうゴージャスに見えます。
最近、店内で物販も始めたようです。オリジナルTシャツやマグカップも置かれています。
場所はスヴェトランスカヤ通り(ул. Светланская)の西側にあるヴェルサイユホテルの隣にあります。入口もかわいいですね。
その斜め向かいにあるのが、もうひとつのおすすめの「スタローヴァヤ8ミヌート(Столовая 8 минут)」。この店の特徴は、店内がソ連時代のレトロな地図や写真、切手などで埋め尽くされていることです。
ロシアの大人たちには、30年前に解体したソ連時代に対してとても複雑な感情がありますが、その一方で、その時代を知らない若い世代が増えています。彼らにとってソ連時代のデザインはとても新鮮です。
ここでもショーケースに並ぶたくさんの料理やパン、ドリンクなどを自分で選んで器に入れてもらい、レジで精算します。
これだけ頼んでも、300ルーブルくらいです。
ここはロシアですから、もちろん、スイーツもたくさんあります。とにかくサイズがでかい。別腹だなんて言えるだろうかと思ってしまいます。
「スタローヴァヤ8ミヌート」はチェーン店で、市内には他にもいくつか店舗がありますが、店内の内装やデザインは店によってそれぞれコンセプトが違います。その点は、全国たいていどこでも同じ日本のファミレスとは違って、自由そのものです。
(撮影/佐藤憲一)
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