春の訪れを告げるロシアの祭り「マースレニツァ」の様子を紹介します
なにやら大人も子供も一緒になって楽しげに踊っています。
ウラジオストクのシンボルであるウスリータイガーのフェイスペインティングした小さな女の子ふたりが袋をぶつけ合って遊んでいます。ロシアの相撲か何かかな?
3月1日(日)、ロシア全土で春を祝う祭り「マースレニツァ」が行われました。
マースレニツァは古代スラヴの伝統の祭りで、町中のカフェやレストランでブリヌィをたくさん焼いて、みんなにふるまいます。長い冬を過ごしたロシアの人たちにとって、春が来ることほどうれしい日はありません。
この動画は、ウラジオストクの中央広場で、現地在住のアンナさんが撮ったものです。以下、彼女が撮ってくれた写真をみながら、祭りの様子を紹介しましょう。
中央広場には特設シアターができて、民族衣装に着飾った人たちが歌い、踊ります。
ここでは子供たちが布製の長靴を高く放り投げています。どういう遊びなのでしょうか。
「よくわからないですが、長靴を投げることは<冬を捨てる>という意味があるそうです。 17世紀には、いちばん遠くに靴を飛ばした人が馬や土地などのプレゼントを王様からもらったそうです。また、女性にとって占いの意味もありました。投げて落ちた靴の爪先が向いている方向から将来の恋人が来るというのです」(アンナさん談)。
遠くに棒を上っている上半身裸の男の人がいます。日本でも江戸時代の火消しが同じようなことをやりますが、ロシアではどんな意味があるのでしょう。
「マースレニツァはキリスト教が普及する前からあったペイガニズム(自然崇拝、多神教)の祭りです。天上には神様の世界があり、地上から柱で天まで登ると神様から贈り物がもらえるというのです。棒の周囲にはたくさんの見物人が集まり、昔からマースレニツァの人気の行事でした」(アンナさん談)。
何よりうれしいのは、マースレニツァの日に町に出かけると、きれいな民族衣装を身につけた女性から焼きたてのブリヌィがもらえます。
ブリヌィにはたくさんの種類があります。中に何が入っているのでしょうか。
右上から左へ「ジャガイモ」「チョコレートとフルーツ」
右下から左へ「イクラ」「コンデンスミルク」「カボチャクリーム」
手前のきんちゃく袋みたいなブリヌィには「チキンとキノコ」「チキンとキャベツ」「ハムとチーズ」
ロシアで紅茶を入れるサモワールの手前のケーキは、ブリヌィを重ねてつくったもので、チョコレート入り、ベリー入り、クリームチーズ入りだそうです。
この日は1日、人々は中央広場で過ごすのですが、夕方が近づくと、ひとつの伝統的な儀式が行われます。それは案山子(カカシ)を焼くというものです。冬を暗示する案山子を焼くことで、冬が終わったことを意味するのだそうです。
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