中央アジア料理店「フローパク」の4店舗目がオープンしました
ウラジオストクは、日本ではなかなか体験できない珍しいグルメが楽しめる町です。
そのひとつが中央アジアの料理が味わえること。ここでいう中央アジアは、ロシアの南に位置する、かつてのソ連の一部だったウズベキスタンやカザフスタンなどのイスラム圏の料理です。
中央アジア料理の特徴は、羊肉を多用すること。そして、ラグメンのようなロシアにはない麺料理やポロウのような当地風炊き込みご飯、マンティと呼ばれる肉まん(蒸し餃子に近い)など、日本人好みのアジア風メニューがあることです。トマトを使ったさっぱりサラダは食欲をそそるし、羊肉とジャガイモ入りの薄味のスープも、ディルで臭い消しされているので、口に合うと思います。
今年初め、中央アジア料理チェーン「フローパク(Хлопок)」の4軒目がディナモ・スタジアムの目の前にオープンしました。セミョーノフスカヤ通り(ул.Семёновская)に面している角にあります。
店内はアジア的な雰囲気はなく、むしろモダンでおしゃれです。ここはロシアなので、バーのカウンターもあり、ワインやビールも豊富に揃っています。地元のカップルの利用も多いです。
以前、ウラジオストク駅の近くにも「フローパク」(現在閉店)があったのですが、その店は中央アジア風の意匠を配したエキゾチックな内装で、ウズベキスタンの民族衣装を身に着けた店員もいたくらいでとても面白かったのですが、ここはいまのウラジオストクの流行りの店のシンプルモダンなスタイルを採用しているようです。
ウラジオストクのレストランに入るとき、キリル語の文字だけのメニューしかない店もたまにあり、困ってしまいますが、この店のメニューは英語はなくても、写真が大きいので、注文がしやすいのがいいところです。
ところで、極東の果てにあるウラジオストクに、なぜこのような中央アジア料理のチェーン店があるのでしょうか。モスクワほど離れていませんが、数千kmはあります。その理由は、ソ連時代に中央アジアから多くの移民や労働者が極東に働きに来ていたことがあります。いまでは別の国ですが、人的つながりは残っています。実際、ウラジオストクの街角や市場などに行くと、多くの中央アジア系の人たちを見ることができます。彼らはとても陽気な人たちで、日本人に対して親しみを感じてくれているようです。
このようなグルメの世界は、歴史的な経緯があることから、必ずしもウラジオストクに限らず、ハバロフスクやロシアの地方都市でも、モスクワでも、ふつうに見られるものです。おかげで日本からわずか2時間のフライトで訪れたこの地で、中央アジアの味覚が楽しめるというわけです。
そうそう最初に言うのを忘れましたが、中央アジア料理といえば、子牛や羊のケバブ(ロシアではシャシリクといいます)が代表的なメイン料理です。ウラジオストクで味わえる中央アジア料理は、このように繊細な盛りつけで、味も洗練されています。
「フローパク」は市内にもう3軒ありますが、そのうち2019年にマリインスキー劇場の近くにできたカリナモールの中にもあります。その店は窓からの金角湾の眺めが素晴らしいです。その話はまた別の機会に。
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