個性派カフェも次々オープン!春を迎えたウラジオストク最新まちネタをどうぞ
ウラジオストクもようやく春めいてきました。
今年も町に新しいカフェが次々に生まれています。
ロシアではカフェは食事やお酒もたっぷり楽しめます。ウラジオストクにはスターバックスのような、世界中どこにでもあるグローバルチェーンはありませんが、その代わりに港町らしい遊び心とロシアならではの文化的な趣向を凝らしたカフェが町中にあふれています。
今回は、ウラジオ.comの宮本智さんが案内してくれる2021年春のニューオープンカフェ情報です。
ウラジオストクを代表する人気ストリートの「噴水通り」を路地へ入ったところに、ロシアのレトロ趣味をテーマにしたカフェバー「アダムィチ」 がオープンしました。
古いロシアンテイストの壁紙に包まれた部屋は少しけだるい雰囲気でムードたっぷりです。壁に貼られた絨毯やソ連時代の映画俳優たちの肖像画や写真などがいくつも置かれていて、こういうのがロシアのレトロ趣味なのかと思うと、とても新鮮です。
この写真は、ソヴィエト連邦共産党中央委員会書記長L・I・ブレジネフのものですが、撮られたのは1974年だと思われます。この年の11月23日、ウラジオストクを訪れたアメリカのジェラルド・R・フォード大統領はブレジネフ書記長と会談し、米ソ共同コミュニケを発表しています。これは米ソ冷戦時に一時生まれたデタントの時代を象徴する出来事でした。
私たちはソ連時代のロシアをほとんど知りません。社会主義的な冷たいイメージも強いですが、このカフェに行くと、イメージも変わるかもしれません。
この店には魅力的な食事もあります。たとえば、クリミア半島のタタール人が起源とされるチーズ入りチェブレク(味つけした羊の挽肉を薄くのばした小麦粉の生地に詰め、油で揚げた粉モノ料理)です。
ロシア風水餃子のぺリメニや、そのウクライナ版ともいえるヴァレーニキもあります。果実酒やシードル等のアルコール類はほぼ自家製なのもここの売りです。コロナが明けて外国人観光客がウラジオストクを訪れるようになったら、きっと人気になると思います。
同じく噴水通りに最近オープンしたアジアンカフェ「GONG」も楽しさとおかしさ満開です。
なにしろ店員さんはベトナム風の笠をかぶりつつ、日本風のハッピを着てお辞儀して迎えてくれるというのですから。つい笑ってしまいます。でも、とてもほのぼのした感じです。
店内の内装も面白いです。葛飾北斎の浮世絵風の波打つ絵や日本刀、錦鯉など日本文化を強く意識した作品が飾られていて、これらは地元のロシア人アーティストが描いたものだそうです。
こういうのを見ると、日本ってやっぱり忍者の国のイメージなのかなあと思って苦笑してしまいます。
このカフェで提供しているのは、ロシア人の旅行先として人気のタイやベトナム、近隣の中国や韓国、日本の料理を独自にミックスし、アレンジした不思議料理です。でも、地元のみなさんは楽しそうなので、ぜひ訪ねてみてください。
最後に紹介するのは、中央広場から2分のところにオープンしたベーカリーカフェ「フレーブ イズ タンディラ」 です。
もともと郊外に店があり、ジョージアやアゼルバイジャンなどコーカサス地方の自家製パンを販売していて、とても人気でした。それが市内中心部に出店したので、地元の人たちは車に乗らずに歩いて行けると喜んでいます。
人気はチーズとタマゴが入ったジョージア風ピザパンのハチャプリです。
イートインスペースもゆったりしているので、旅行者も利用できるのがうれしいです。
ウラジオストクのカフェはどれも個性的です。日本にはない、ロシアならではのセンスやスタイルがあふれていて、どの店でも楽しめそうです。ウラジオストクはカフェ歩きにぴったりの町といえるでしょう。
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