この夏ダーチャでこんなにたくさんの種類のベリーがとれました
極東ロシアの夏は、ベリーが実を結ぶ季節です。
ウラジオストク在住のインスタグラマー、アンナさんからこんな便りが届きました。
「ダーチャ(菜園)でブラックラズベリー(Черная малина)、ラズベリー(малина)、レッドカラント(アカスグリ/Красная смородина)、ブラックカラント(カシス/черная смородина)、さくらんぼが熟しました。
日本で馴染みのないベリーもあるかもしれませんが、ロシアのダーチャで栽培している定番のベリーです。
ベリーはそのまま食べたり、ジャムにしたり、冷蔵庫に保存したりします。冬には冷凍したベリーでコンポートを作るか、砂糖を入れて食べるのが栄養の補給となり、良い夏の思い出になります」
ブラックラズベリー(Черная малина)はバラ科キイチゴ属の植物で、黒い果実をそのまま食べたり、ジャムやジュースに加工します。ヨーグルトやシリアルのトッピング、ケーキの材料にもなります。ビタミンCやミネラル分、ポリフェノールが豊富に含まれています。
ラズベリー(малина)は同じバラ科キイチゴ属の植物ですが、果実は赤色でブラックベリーより少し小ぶりで、酸味のある甘さがあります。果実をそのまま食べたり、ケーキやタルトなどの洋菓子に使われます。ジャムやジュース、果実酒などにも加工されます。肉料理のソースに使われることもあります。
これはサクランボ(вишня)です。甘くてちょっぴり酸っぱい果実は、ロシアでもよく食べます。
レッドカラント(Красная смородина)は日本では「アカスグリ」と呼ばれ、房状に実がなることから房酸塊(フサスグリ)とも呼ばれています。ジャムや果実酒、料理などに使われます。そのまま食べると酸味が強く、加糖して使うことが多いです。
ブラックカラント(черная смородина)は「カシス(仏名)」という呼び名が広く知られていると思いますが、和名は「クロスグリ」。果実は濃い紫色で、果実は甘酸っぱいです。ドライフルーツにしたり、ジャムや果実酒に加工することが多いです。
実は、ここまでの収穫の話は7月のことで、8月に入ってアンナさんからまた便りがありました。
「8月になると、ダーチャの庭が花盛りになりました。ジャガイモやタマネギも収穫しました。7月とは違う種類のベリーも育ちました。
シーバクソン(облепиха)やセイヨウスグリ(крыжовник)、それからロシアではまだそんなに知られていませんが、ヨスタベリー(Jostaberry)という黒い実もとれました」
シーバクソン(облепиха)は、近年日本でも大注目の果実で、「サジー」とも呼ばれています。ビタミンやミネラル、アミノ酸、ポリフェノール、鉄分など約300種類もの栄養素を含むとされ、健康食品や飲料となるだけでなく、化粧品としても使われています。
セイヨウスグリ(крыжовник)は「グーズベリー」とも呼ばれていて、果実は酸味の強いマスカットのような味です。ジャムやゼリーに使います。
ヨスタベリー(Jostaberry)は、ブラックカラント(カシス)とセイヨウスグリ(グーズベリー)を交配させた果実で、未熟なときはセイヨウスグリの風味が強く、果実が熟すにつれてブラックカラントの香りに変わるそうです。
こんなにたくさんの種類のベリーがとれるとは驚きです。アンナさんによると「これらのベリーはいろんな食べ方があります。たとえば、これはシーバクソンティー(облепиховый чай)と呼ばれる飲み物で、ミントやシナモンスティック、砂糖を加え、お湯を入れてつくります。冷たくすると、レモネードのような爽やかな味わいで、ビタミンCが豊富で身体に良いといわれています。レシピはほかにもあると思いますが、手元にあった材料でつくってみました。レストランでも人気な飲み物ですよ」と話してくれました。
ロシアは冬が長いぶん、夏の間にダーチャで貴重な栄養を豊富に育てるという生活の知恵が行き渡っています。ロシアのスローライフは魅力的ですね。
アンナさんの家のダーチャでは、鶏も飼っています。
庭はベリーや花でいっぱいです。
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